フジ・メディア・ホールディングス(HD)の金光修社長は8日、同社で記者会見を開き、2014年9月までの約2年間に放送法の外資規制に違反していたことを明らかにし、「大変申し訳ありません」と陳謝した。同年12月に違反の事実を総務省に相談したことも認めた。同省は同社の認定の取り扱いについて検討を本格化させる。
金光社長によると、当時、総務省側からは二度と起こさないよう注意を受けたという。放送法は、外資規制に違反した場合は総務相は認定を取り消さなければならないと定めている。
同社は、12年4月に完全子会社化した会社の出資先である番組製作会社が保有するフジ・メディアHD株について、本来議決権がないのに、誤って議決権総数に算入。正しく計算すると、外資比率が20%を0・0004~0008%超過していた。
同社は放送法の「認定放送持ち株会社」の認定を受け、複数の放送局を子会社として持つ。同法は議決権の外資比率が20%以上の事業者は認定を受けられないと定める。
同社は14年9月に議決権の算入ミスに気づいた際に外資規制違反を把握。金光社長は「違法の状態にあると認識した」と話した。だが、当時は公表せずに同月末時点の公表資料では違反状態を解消していた。
金光社長によると、14年12月に2度、総務省に相談した。1度目は「認定がどうなるかの感触を取りに行った」と説明。再び相談に赴いた際、総務省からは口頭で厳重注意を受けるにとどまったことで「こちらとしては認定取り消しにならないと判断した」という。当時は対応した担当者の名前は明らかにしなかった。
有価証券報告書は「微少」であることを理由に訂正しなかったという。また、違反状態にあったことを公表しなかった理由については、「認定の取り消しになると判断すれば、適時開示をしなければいけない。ただ、そうでない限りその開示をする必要はないと考えた」と語った。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル